2年文学国語「自身の五感を生かした主体的に取り組む小説の読解」
2024年7月17日 14時30分 1学期の文学国語の授業では梶井基次郎『檸檬』の読解を行いました。本校では、五校園共同研究の一環として「主体性コモンルーブリック」を授業で利活用しています。
主体的で対話的で深い学びを実現するために、生徒は「本時で身につけたい力・重点に取り組みたいこと」や「自身で考えた問」などを自身で課題設定をして、単元のまとまりごとにふり返りを行っています。今回は、実際のレモンを自身の感性を大切にしながら観察を行い、作品における檸檬と比較をしたり、複数テクストの視点を取り入れて詩 高村光太郎『レモン哀歌』や評論 加藤周一『文学の概念』等と読み比べる活動をおこなったりしました。そして「近代」や「イデオロギー」という文学に欠かせない概念を考えました。さらにパフォーマンス課題として、作品のタイトルが『檸檬』以外のものだったらどのような小説に書き換えられるかという「創作」にも挑戦しました。
授業を受けた生徒は、ふり返りシートのなかで
「自分自身だけで文章を読み解く力はまだまだ足りないけれど、まわりの人の文章に対する考えから自分の考えを改めたり深めたりすることができるようになった」
「時代も環境も違う人の生きざま、その当時の人々の思想や感情を考え、その空間に入ったように読むことができた」
「一見異なる作品でも、状況やレモンの役割に共通点を見出すことができた」
「本文中の曖昧な表現について、言語化して説明できるようになった」などの感想を述べ、自身の成長を実感していました。
人工知能(AI)時代に生きる子どもたちにとって、自分の経験を組み合わせて考える力、他者と協働して考えを深める力を「文学」を通して身につけることは、貴重な経験になると考えられます。